第一回インテリアプランナー講座
パースの描き方について
インテリアプランナー試験における主たる技法は透視投影図法です。
透視投影図法には、一点透視図法と二点透視図法があります。
一点透視図法は奥行き方向の設定を一つすればいいのに対し、二点透視図法は二つしなければならないため、難易度が高いです。
試験の際の使い分けは以下の通りです。
・メインパース:簡単な一点透視図法
・家具の詳細図など:形状が分かりやすい二点透視図法
パースの描き方について
手順は以下の通りです。
1.まずはGL(ground line)地上線を設定する
2.次にHL(horizontal line)地平線を設定する
一般的な視点の高さである1,500mmに設定をする
3.VC(visual center)視心を立てる
4.HLとVCの交点をVP(vanishing point)消点とする
5.PP(picture plane)画面の幅を設定する
このとき人間の視野角は大体30°から60°程度であり、画面の幅はVPから左右それぞれ2.5m〜3.5m程度が適切です。それ以上の距離は物体のかたちが大きく崩れてしまいます。
6.立方体の手前となる正方形をPP(picture plane)画面上でスケールを用いて正確な寸法で描く
7.正方形の4点からVPに向かって補助線を伸ばす
8.奥行き方向の長さ設定を自身で行う
※この奥行き感覚を身に付けることがパース習得の第一ステップです。
9.奥行きを設定したことで底面が描けるため、各点を結んで立方体を描く
描いた立方体の奥行き長さの確認は、床や壁など面積が多い部分で正方形の比率がおかしくないか確認をすると良いです。
一点透視図法における空間の分割方法について
立方体(空間)をつくったあとに、その奥行き空間を分割するには、PP上で高さを測ってVPに引いた補助線に対して対角線を引きます。対角線との交点となる箇所が均等な分割ラインになります。
奥行き方向に空間を追加するときなどもこの対角線を使えば、奥行きと高さの比率を一定にして引くことができます。
家具を配置するときには、まずPP上のGLから横方向の位置、奥行き方向の分割から奥行き方向の位置を出して、底面位置を決定します。その後、PP上での正確な高さをVPへ延長した線と、家具底面の手前のラインを延長した線の交点を基準として家具手前の面を作ります。※この高さ設定で最初つまづきました。
底面と、手前の面ができれば、あとは線を結んでかたちができます。
奥からのパースの描き方について
手前から奥に空間を分割していく場合、画面奥のスケール感が小さくなって、正確に空間を描くことが難しくなります。そのため、奥から縮尺を定義して空間を描くことで、綺麗に奥の空間(物体)も描くことができます。
パースで歪みなく描ける空間は、大体幅5mの奥行き5m程度であるため、最奥として設定される壁面のスケールを1/40で設定して描くと、ちょうどPPのサイズが課題の画角サイズ(W300,H200)に一致する形で綺麗に収まります。
奥から手前に向かって空間を分割する場合、奥行き方向のスケール感覚を広くとってしまうと、手前の空間になればなるほどよりスケールの歪みが大きくなる恐れがあるため、予め与えられた課題の画角の位置で、PPの端部を設定すると良いです。
※どうしても空間が細長く、手前のものの奥のものの描かないといけない場合のみ、手前のPPを1/20で設定して描き始めて、奥に空間を分割していくのが良いです。
二点透視図法を用いた物体の描き方について
家具の詳細図を描くために2点透視図法を用いる場合、1点のVPを設定して、もう1点については、画角外の遠方にあるものとして描くと、形状がわかりやすく描くことができます。
VCで描いた家具高さから、1方向はVPへの補助線を描いて、もう一方については画角外のVPを目指してほとんど並行な線となるようにして補助線を描きます。
このとき、実際には画角外のVPにおいて補助線は結ばれることを忘れず、補助線が開いてしまうような逆パースとならないように注意が必要です。
奥行き方向の長さ設定についてはそれぞれの方向に対して行います。
※補足
テーブルなどで楕円を描く際には、楕円は必ず正楕円となります。(テンプレを用いてGLに対して並行に描くのが良いです。)
人物の描き方について
人物については、どこに立つ人も頭の位置はHLで、足元の位置だけが遠近位置によって異なることを理解した上で、見栄え良く10頭身で描くと綺麗です。
人物・植栽といった添景はひたすら描いて、コツを覚えていくことが大事です。